‘皮膚良性腫瘍’ カテゴリーのアーカイブ
2017年9月2日 土曜日
赤坂クリニック・木下です。
9月が始まりました。
今年も残り4ヵ月、あっという間
に過ぎ去りそうです。
9月最初の症例写真では
『小鼻のすぐ横のホクロ』除去の
経過を紹介します。
(写真の掲載をお許しいただき
ありがとうございます!)
この部位のホクロが大きくなると
気になり始める方は多いようです。
太めの毛が生えることも多く
余計気になるようです。
指で鼻先を引っ張ると・・・↓ ↓
ホクロの付け根は直径6.5mmで、
小鼻からではなく、主に頬の皮膚
から盛り上がっていました。
ホクロの色や発毛の再発を避ける
ために炭酸ガスレーザー治療では
なく切除手術を行いました。
切除後の傷あとや変形を最小限に
とどめるために「くりぬき法」で
対応しました。
手術後1週間の状態です。傷ぐちは
まだふさがっていません。 ↓ ↓
手術後2週間の状態です。傷ぐちが
ふさがって間もない状態です。↓ ↓
手術後3ヵ月の状態です。↓ ↓
傷あとは最小限の大きさで
落ち着いています。薄ピンク色に
見えるところは今後さらに周囲の
色にまぎれてしまいます。
手術後3ヵ月の正面からです。↓ ↓
小鼻が引っ張られるような変形を
認めず、傷あとは目立ちません。
周囲の人から傷あとを指摘される
こともないようで安心しました。
カテゴリー: ほくろ, 木下, 症例写真, 皮膚良性腫瘍, 美容皮膚科, 鼻 | コメントはまだありません »
2016年9月26日 月曜日
お問い合わせが多い
赤ちゃんの赤あざ
「苺状血管腫」のレーザー治療について
お話しします。
苺状血管腫は、通常出産後に産院やご自宅で
淡いピンク色の斑で気づかれます。
その後徐々に赤味が増し、
盛り上がりはじめます。
生後3~6ヵ月くらいに
急速に盛り上がることがあります。
まれに潰瘍といって血管腫がジュクジュクする
こともあります。
通常1歳くらいになると増大は止まり、
以降は小学校入学くらいまでに時間をかけて
少しずつ赤味が抜けていき白っぽく変化
していきます。
血管腫が急速に増大してしまうと
将来的に皮膚の質感がシワシワと残ってしまう
ことがあります。
以前は小児科や皮膚科を受診しても、
治療をせずに経過観察を行うことが主流でした。
現在はレーザー機器が非常に進歩し
合併症の少ない治療が可能になり、
できるだけ早い段階で治療を始めることで
苺状血管腫の急速な盛り上がりを抑える効果
があります。
2014年に医学論文として発表しました。
「苺状血管腫に対する早期ロングパルス色素レーザー治療
の有効性の検討」 中園亜矢子 他
西日本皮膚科雑誌 第76巻 第4号 P.361~365, 2014
しかし皮下型という深いタイプには
レーザー治療の効果は乏しいので、
内服など他の治療を検討するべきと考えます。
当院では保険診療で
苺状血管腫のレーザー治療を行っていますので、
どうぞご相談ください。
中園
カテゴリー: レーザー, 中園, 皮膚良性腫瘍 | コメントはまだありません »
2016年6月27日 月曜日
赤坂クリニック・木下です。
クリニックそばのお濠では
今年も蓮の花が咲き始めました。
今回もホクロ治療ネタです。
【高周波メスや炭酸ガスレーザーでの
ホクロ治療】では、ホクロやイボなどを
「削る(蒸散する)深さ」はもちろん、
「アフターケア」も非常に重要です。
小さなホクロやイボひとつにしても、
きれいに取れてきれいに治ることを
期待してわざわざ来院してくださって
いると思いますので、再発は極力防ぎ
たいですし、最終的な傷あとも極力
目立たない状態に落ち着かせたいと
常に意識しながら治療に当たっています。
実際、個々のホクロの状態に応じて
将来再発しにくい深さまで削ります。
特に、深く削る必要があった場合、
将来的に陥凹した傷あとを残したり、
経過中に傷あとが赤く盛り上がって
(リスク)が高まります。
陥凹した傷あとや肥厚性瘢痕の
ようなリスクは、
ホクロの部位、肌質、生活環境
などの要因も加わるとどうしても
避けられない場合があります。
しかし、
治療後早期に行っていただくご自身
での処置や、傷ぐちがふさがってから
のアフターケアで上記リスクは
最小限にできる可能性が高いため
治療前だけでなく治療後の検診時
などに口うるさく(?)お話し
させてもらっていますので
お付き合いのほどよろしくお願いします。
カテゴリー: ほくろ, レーザー, 木下, 皮膚良性腫瘍 | コメントはまだありません »
2016年5月25日 水曜日
中園です。
久しぶりの投稿になってしまいました。
当院はイボ・シミ・ホクロのご相談の
患者様が非常に多いですが、
とくに顔や首の「イボ」「ブツブツ」のご相談で
来院される患者様を診察すると
実に様々なタイプがあります。
その種類は、
脂漏性角化症
アクロコルドン
色素性母斑
脂腺増殖症
稗粒腫
汗管腫
線維腫
ウイルス性疣贅
青年性扁平疣贅
顔面播種状粟粒性狼瘡
血管拡張性肉芽腫
老人性血管腫
などなど・・・
日常的に診療する機会が多いものだけでも
これほど多くの種類があります。
実際は上記以外にももっと多くの種類があります。
「イボやブツブツ」の患者様を診察して
診断がつきましたら、治療に入ります。
治療法ですが、これも多岐に及びます。
内服・外用治療や液体窒素療法が効果的なもの。
レーザー治療を行うもの。
レーザー治療でも
ダイレーザーが効くもの、
炭酸ガスレーザーが効果的なもの。
炭酸ガスレーザーでも
イボの病変の深さに応じて
表皮のみの浅い治療で十分なもの、
深い病変で真皮までの治療が必要なもの。
などなど・・・。
患者様からみると、
とても簡単に治療しているように映るようなのですが、
実はいろいろと深く考えながら診療しています。
夕陽を眺めてたそがれた日。
中園
カテゴリー: 中園, 皮膚良性腫瘍, 美容皮膚科 | コメントはまだありません »
2016年5月16日 月曜日
赤坂クリニック・木下です。
今回は、形成外科で手術を行う
機会が多い皮膚良性腫瘍のひとつ、
『石灰化上皮腫』の切除手術の
経過写真を紹介します。
(写真の掲載をお許し下さり
ありがとうございました。)
10代前半の女児で、約 3年前に
自覚した頬のしこりが徐々に
大きくなってきたとのこと。
かかりつけの皮膚科医院から
手術目的で当院に紹介されました。
初診時、頬(もみあげの前方)に
最大 2.5cmの少し盛り上がった
硬いしこりが確認できました。
必要最小限の切開できちんと
摘出する方針とし、局所麻酔下に
1.5cm弱の切開で全摘しました。
典型的な石灰化上皮腫です。
真横から見ると厚さは 1cmでした。
術後6日目の抜糸直後です。↓ ↓
抜糸後 1ヵ月の状態です。↓ ↓
斜め前から見ても特に変形などありません。
傷あとの細い線はあと 2ヵ月ぐらい
ピンク色に見えます。
その間は肌色のテープを貼って
いただくことになります。
参考までに、
この手術は保険診療で行うため、
3割負担の場合、手術手技料は
5,000円弱です。
その他、初診料等が別途必要です。
(手術手技料は縫い寄せた創の長さや
腫瘍の部位によって異なります。)
カテゴリー: 木下, 症例写真, 皮膚良性腫瘍 | コメントはまだありません »
2015年8月31日 月曜日
赤坂クリニック・木下です。
あっという間に訪れた8月最終日を
雨天で迎え寂しい限りです。
過ぎゆく夏の空を未練がましく
載せます。
(数日前の台風後の写真です。)
さて今回は10代なかばの女性の
首筋にあるホクロ(色素性母斑・
しきそせいぼはん)の
治療経過を紹介します。
(写真の掲載をお許し下さり
ありがとうございました。)
このタイプはレーザー治療でいくら
粘っても完治しませんので
通常は切除手術の適応です。
色素性母斑の大きさは
15×25 mmでした。
全体を1回の手術で切り取って
縫い寄せることも可能な大きさです。
しかしこのサイズのホクロに対し、
1回で切り取って縫い寄せてしまう手術
(単純切除術)を行うと、傷の長さが
35~45mmになってしまいます。
髪で隠せる場所とはいえ女性の露出部
ですし、この長さの傷あとを残して
しまうのは躊躇します。
そこで、最終的に残ってしまう
傷の長さを少しでも短くする、
手術後の患部のつっぱり感を軽減
することなどを目的に、あえて
2回に分けて切除する方針としました。
形成外科的には『単純切除術』に対し、
『連続切除術』と呼ばれる方法です。
もちろん保険診療の対象です。
夏休みや春休みを利用した、
無理のない切除プランで予定どおり
完全切除しました。
下は 2回目の切除手術直前の写真です。
( 1回目の手術後7か月半経過して
います。)
1回目の手術でできるだけ切除して
いたため、残りのホクロのサイズは
7×24mmでした。
下は2回目の手術後5ヵ月半後の写真です。
手術後3~4ヵ月程度は肌色のテープを
貼っていただきました。
最終的な傷あとの全長は25 mm
ですみました。
まだわずかにピンク色ですが
最終的にはこの色は消えてしまいます。
カテゴリー: ほくろ, 木下, 症例写真, 皮膚良性腫瘍 | コメントはまだありません »