‘木下’ カテゴリーのアーカイブ
2014年11月22日 土曜日
自分で書き始めた薀蓄が長すぎて
本題のBefore/After写真にたどり
着けず、自分でもイラっときている
赤坂クリニック・木下です。
お時間にゆとりがある時にでも
読んでいただければと思います。
前回の続きです。
右目は左目同様にたるんだ皮膚は
存在しているのですが、ふたえ
ラインのおかげでまつ毛や視界
にとって邪魔な存在にはなって
いませんでした。
しかし、おでこの筋肉(前頭筋)
を使ってまゆ毛の位置が両側とも
少し高い位置に引き上げられて
いました。
そこで、もう一つの訴えである
②「目が小さくなってきた。」に
ついて診察してみます。

左目の特に外側で特徴的ですが、
たるんだ皮膚がまつ毛や黒目・白目の
一部を隠すようにかぶさってしまう
ため、他人から見た目の形が三角形に
変化し、せっかく目がしっかり開いて
いる場合でも小さな目に見えてしまう
状態です(加齢変化の一つです)。
右目では左とは状況が異なります。
右目の黒目や白目はたるんだ皮膚では
隠されていないのに、左同様に目が
小さく見えます。
この状態が今回のテーマである
『眼瞼下垂症』の典型的な状態です。
写真の患者さんは、先天性、物理的刺激、
(ハード)コンタクトレンズの長期装用
などの誘因もなく、加齢が原因の
『腱膜性(けんまくせい)眼瞼下垂症』
と考えられます。これに皮膚のたるみも
伴っている場合は、言葉は悪いですが
『老人性眼瞼下垂症』とも呼ばれます。
この患者さんの状態は、大まかには
右目が中等度の下垂、左目は軽度の
下垂の状態です。
患者さん自身は、現状が眼瞼下垂症と
呼ばれる状態だとは自覚していない
ことがほとんどです。

写真はがんばって目を
開いてもらったところです。
まゆ毛もしっかり引き上げられて
いますが、右目の黒目の露出面積は
あまり変わっていません 。
左目は邪魔なたるみのかぶさりを
減らそうとして右よりも眉毛を引き上げ
ているだけでなく、右目の開きの悪さを
補助するために無意識に左目が大きく開く
反応( Hering 現象)が加わって、右目
よりも大きく開いている可能性があります。

眼瞼下垂の程度を評価する際の指標の
一つである眼瞼挙筋機能も正確に
計測したところ、左右対称の12mm
でした。
次回、薀蓄減量バージョンへ続く。
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2014年11月19日 水曜日
赤坂クリニックの木下です。
今回から数回に分けて
眼瞼下垂症手術の症例写真を
紹介します。
(写真の掲載をお許しいただき
ありがとうございました。)
①「目元のたるみが気になり始めた」
②「目が小さくなってきた」という悩み
で来院された60代の女性です。
普通に正面を見ていただいているだけ
ですが、おでこや眉間にしわが寄って
なんとなく険しい表情に見えます。

まず、
①の悩みについて診察しました。
元々は “ ひとえまぶた ” だった
とのことで、左目では上まぶたの
たるんだ皮膚がまつ毛にダイレクトに
かぶさってきています。(←ひとえ
まぶたの人の特徴でもあります。)
“ まつ毛の気持ち ” になってみると、
目を開けるたびに乗っかってくる
皮膚が煩わしく、払いのけたい気分
だと思います。
また、かぶさりの程度が強くなるほど
視界の邪魔にもなりはじめます。
そこで患者さんは、目を開くたびに
無意識におでこの筋肉(前頭筋)を
動員して左まゆ毛を少し持ち上げ
(=上まぶたのたるみを引き上げ)、
まつ毛にかぶさる皮膚の払いのけを
手伝ってあげながら、必要な視界を
確保することになります。
幸い右目は、加齢に伴い “ ふたえの
ライン ” が出現していたために、
まつ毛より上のたるんだ皮膚が
“ ふたえライン ” で一度折り返された
あとに、まつ毛側に垂れ下がって
きており、まつ毛にダイレクト
にかぶさる状態から免れています。
まつ毛にとっては皮膚の払いのけが
いつも必要ではない快適な状態でしょう。
しかし、よく見ると左右対称におでこの
シワが寄っていることから、おでこの筋肉
を動員して右のまゆ毛も左まゆ毛と同じ
高さまで引き上げているようです。
続く・・・。
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2014年11月17日 月曜日
赤坂クリニックの木下です。
昨日はかなり久しぶりに
ボーリングを楽しんできました。
全身で投球したつもりですが、
幸い筋肉痛もなく普通に仕事
できています。

さて、今回から
『眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう』
について数回に分けて紹介したいと
思います。
形成外科や眼科では昔から
治療対象であった『眼瞼下垂症』という
「ややマイナー」な病気は、ある時期を
境に一気に「(やや?)メジャー」な病気に
なり、一般に知られるようになりました。
ある時期とは・・・、
忘れもしない9~10年前(?)、
NHKの「ためしてガッテン」などいくつかの
テレビ番組で、『まぶたの下がりを治すと
肩こりや頭痛なども改善する!』といった
感じでややセンセーショナルにPRされた
まさにその時期です。
その影響で全国の形成外科や眼科に
相談に来る患者さんが急増したという
エピソードもありました。
その後も数年おきにテレビなどで
紹介されたり、形成外科医・眼科医からの
積極的な啓蒙活動により「(やや?)メジャー」
な地位が維持されているように感じます。
当時、“まぶたの下がり” ➡ “肩凝りや頭痛
を発症”といった一見関係なさそうな症状の
発生メカニズムや、《松尾法》や《信州大式》と
呼ばれる手術法は、信州大学形成外科の
松尾清教授が形成外科学会や医学雑誌などで
唱えはじめたものです。
その後、全国の形成外科の施設から
肩凝りや頭痛などが確かに改善するという
学会報告も相次ぐなか、メカニズムついての
異論が一部の医師などからありつつも、
松尾理論や松尾法手術は現在の
眼瞼下垂症治療分野に定着しています。
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2014年11月15日 土曜日
赤坂クリニックの木下です。
福岡城のお濠端もすっかり
秋らしくなりました。

更新が遅れましたが、
前回の続きです。
スレッドリフトで使われる糸の
種類はさまざまで、流行り廃り
もあるジャンルです。
今回のセミナーでは
新タイプのスレッドリフトである
N-COG(ニュートンコグ)の
コンセプトや施術のコツなどを
学んできました。
講師はN-COGを日本に導入した
吉田先生でした。
N-COGは、
糸表面の引っかかり(COG)加工が
特殊で、皮膚の内側からの
引き上げ力が分散されることで
皮膚表面に陥凹変形などを
生じにくいのが特長です。
さらに、この糸を皮下脂肪層に
通す際に先端が丸い針(カニューレ)
を使用するため内出血のリスクが
かなり減少します。
また、材質が溶ける糸(吸収糸)
なので、将来的に体内に異物を残す
心配がありません。
たるみ改善の手段としてのスレッドリフトは
万能ではありませんし限界もありますが、
派手な手術を回避したい方にとっては
定期的なヒアルロン酸注入やレーザー治療
などと上手く組み合わせることで有効な
手段となりうると考えています。
そして、
吉家院長にセミナーの報告をしたところ
当院でのN-COG導入にGOサインが
でました。
正式に診療メニューに加わったら
また報告します!
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2014年11月10日 月曜日
美人女医さん軍団に囲まれても
ニヤけずに平静を装っている(つもりの)
赤坂クリニック・木下です。
(そもそも囲んでくれているわけ
ではありませんが・・・)
昨日は雨の心斎橋で開催された
スレッドリフトのセミナーに
参加してきました。
スレッドリフトとは、
釣り針の先にある返しのような
ひっかかり(Cog コグ)加工が
たくさん施された医療用の
ナイロン糸(溶けない糸)や
吸収糸(溶ける糸)を、
ほっぺたや首のたるんだエリアや
もたついたアゴのラインの
皮下脂肪層内に通すことで
たるみを改善させる治療法です。
現在赤坂クリニックには糸による
リフトのメニューがないため、
効果的かつリスクやトラブルが
最小限の糸と施術方法を以前から
吉家院長と探していました。
明日に続く・・・。

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2014年11月5日 水曜日
最近ランチした
大名の老舗インド料理店での出来事。
日本語が達者なインド人店長が
空いた食器を下げに来て
「お皿を下げましょうか?
目の前から。」と言われ、
外国語習得の難しさというか
奥の深さをしみじみと味わった、
赤坂クリニックの木下です。
今回はクリニックから
車で10分ほどの中央区桜坂にある
中華料理店【凛丹(りんたん)】です。
薬院側から六本松方面に向かって
桜坂を下る途中の右手にあるお店です。
お店の前の駐車スペース(1台)に
狙いを定めて思い切り右折したら、
道路の中央線に立っている緑のポールに
気づかず車のど真ん中で乗り越えて
しまいました。
(曲がるポールで良かった・・・)

写真はエビチリ定食で噂どおり
美味でした。
食後6時間ぐらい口腔内がしびれる
麻婆豆腐もいただきましたが
リピートしたくなる味でした!
(お店の感想が少なくてすみません・・・)
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2014年10月31日 金曜日
赤坂クリニックの木下です。
今回は、『ホクロ切除手術』の
症例写真を紹介します。
(写真の掲載をお許しいただき
ありがとうございました。)
ほくろ除去の方法としては
以下の2種類が代表的です。
①炭酸ガスレーザーや高周波メスで
削るように切除する
②メスで切除して縫い寄せる
(1本の線に縫い寄せてしまう
単純縫縮術がほとんどです)
今回紹介するのは
②の単純縫縮術の経過です。
↓ 写真は左の小鼻(鼻翼部)の
外側にある最大径7mmのほくろです。
治療を希望される頻度が高い
部位のひとつです。

①の方法でも対応可能でしたが、
切除して縫い寄せた場合でも、
小鼻と頬の間の溝に沿った傷跡に
すればほとんど目立たないため、
話し合いの結果②の方法で行う
ことになりました。
↓ 手術直後です。

手術の所要時間は局所麻酔の
時間込みで30分程度です。
小鼻の下の方に肌色のテープが
貼られているところは、
①の方法で小さなホクロを
とっています。
↓ 抜糸後 4 ヵ月目頃の状態です。

手術から最低2~3ヵ月間は
傷あとが赤く、周囲より硬く
触れるのは 通常の経過です。
①の方法で除去した小さな
ホクロもきれいになくなり、
傷あとの赤みがわずかに
残るだけとなっています。
赤坂クリニックでは
ほくろ除去の方法決定にあたり、
各方法の利点・欠点、手術後に
必要な処置内容、 傷が治る経過、
予想される傷跡についてなど、
カウンセリング時に詳しい情報を
お伝えしたうえで行っています。
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2014年10月28日 火曜日
“漢字の書き順が正しい美容形成
外科医 ?! ” を目指して、つい先日
中高生や20代の若者にまぎれて
『漢検』準2級(←弱気)を受験した、
赤坂クリニックの木下です。
高校在学程度というレベル設定ですが、
私にとっては気合を入れて準備しないと
難しい内容でした。
恥ずかしながら、
「捕まる」や「誉れ」の送り仮名を
間違えてしまったり、
議論の「応酬」という漢字を
「応襲」と書いてしまいました・・・。

気を取り直して、別件の報告です。
赤坂クリニックの近くにあった
皿うどんで有名な『赤坂十八番』が
つい最近閉店していました。

まだ「ちゃんぽん」しか食べたことがなく、
看板メニューの皿うどんにトライ
したかったので残念です。

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2014年10月27日 月曜日
赤坂クリニックの木下です。
一昨日の続きです。
この患者さんは現在までに
2回目の手術まで終了しています。
タトゥーを複数回に分けて切除していく
この手術では、回数を重ねるごとに
切除可能な幅も狭まり、縫い寄せも
難しくなっていきます。
1回目の手術で3.5cm幅切除できましたが、
2回目の手術で切除できたのは
最大2.2cm幅でした。
今後、1~2回の手術が必要な見込みですが、
これからが特にしんどくなります。


写真の時点で、手首の動きに制限はなく
今までどおり仕事もできているとのことでした。
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2014年10月25日 土曜日
赤坂クリニックの木下です。
昨日書いたとおり、この部位は
露出部であり、治療結果の良し悪しが
否応なしに目につきます。
また、皮膚を広く切り取ったあとに
非常に縫い寄せづらいエリアです。
皮膚を切除しすぎるとつっぱって
しまうので、手首を十分に反らせなくなる
可能性もあり、もしバスガイドさんだったら
しんどいと思います。
患者さんが希望するゴールと
マッチするならば、
レーザー治療で気長に
治療する方が無難なタトゥーです。
患者さんがタトゥーをとりたかった理由は、
将来資格を取得するための準備目的
とのことでしたので、治療終了までの
期限が限られていました。
中途半端に色や絵柄が残るのも困るとのことで、
複数回(最低3回)に分けて安全に切除
していこうという方針になりました。
1回目の手術では写真での縦方向に
最大7cmあったタトゥーのうち
3.5cm幅を切除しました。
写真は1回目の手術から
2ヵ月半経過したときの状態です。
まだまだ残っているという感じです。


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